米国の警察機構で働く女性を描いたオムニバス系(一話一話がまったく関連がないわけではなく、つながりがあるので「系」とした)の小説。ハヤカワミステリだからといっていわゆるミステリを想定して読むと肩透かしにあうが、厳しい状況で働く女性の内面がきちんと表現されており、本として内容が充実している。内面感覚として描かれているのは、働き始めの充実感や、慣れによる倦怠感、盛りを過ぎての仕事に対する情熱と厭世観など。警察を軸としながらいろいろな登場人物の目を通して浮かび上がる内面の表現に惹かれるものがある。サスペンスの短編集としても硬質でよい。
あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
"「あなたに不利な証拠として」ローリー・リン ドラモンド 駒月 雅子訳★★★★" へのコメントを書く